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仲睦まじく絆を深めるオシドリの夫婦

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昨年に続き、今年も北へ旅立ちする前のオシドリたちの生態を特集します。
オシドリはカモ類の中でも特異な生態を持ち、生息数も多くありません。島根県内では、準絶滅危惧種として登録されています。自然度のバロメータとしても貴重な種ですが生息基盤が脆弱で、今後さらに自然環境の悪化が進行する恐れもあり危惧されています。

冬季に国内で繁殖したり、大陸から冬鳥として渡来するオシドリの県内飛来地は高津川流域が最も多く、自然豊かな河川として定着しています。一部の個体は留鳥(りゅうちょう)として、国内に留まって繁殖しているという報告もあります。
今回、高津川に飛来後、多数のオシドリの新カップルが誕生しました。

オシドリは警戒心が強く、撮影が困難な野鳥です。県内に飛来してくる前の昨年10月、フォトクラブ高津川21の吉﨑佳慶会長は簡素な撮影小屋を準備し、今年3月1日から3月20日にかけ、夜明け前より6回の取材・撮影を敢行しました。
今回、北帰行する4月中旬までに一段と絆を深めている様子を撮りおろしの貴重な写真でご紹介します。

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【清流に映えて】
オシドリの夫婦が一組、二組と睦まじく泳ぐ姿は、清流の色とマッチして見る人を和ませてくれます。

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【自慢のオシドリ】
水質日本一に輝く高津川が「オシドリの越冬地」であることは、地域の自慢でもあります。

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【まるで絵のように】
ピッタリと岩の上で寄り添うオシドリの姿が清流に映えて、まるで絵のようです。

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【オシドリ夫婦】
3月半ばになると新カップルになったオシドリはピッタリと寄り添って行動を共にします。
この姿は、まさしく「オシドリ夫婦」の語源のとおりです。

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【愛情表現】
オスのオシドリのこまやかな愛情表現

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【羽を休める】
川辺の置くには2組の新夫婦が仲良く羽を休めながら絆を深めています。

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【ハプニング①】
新カップルのメスのオシドリに向かって、突然、1羽のオスが急接近!

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【ハプニング②】
メスは毅然として急接近してきたオスのオシドリをはねつけました。メスは強し!

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【かたい絆】
3月半ばには、このようにかたい絆に結ばれたオシドリの夫婦が次々に生まれます。
来年も、生まれた子どもを連れて高津川に飛来してくることを願っています。
(写真提供全て・フォトクラブ高津川21)
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夏のむし物語 パートⅡ・捕獲が禁止されている「カワラハンミョウ」

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カワラハンミョウ(甲虫目ハンミョウ科)という名前の昆虫をご存知という方は少ないのではないでしょうか。
この虫は、良好な自然海岸でないと見られないことから、海岸の指標昆虫とされている昆虫です。
成虫は7~8月に砂浜等に出現します。
かつては全国の海岸に多く生息していましたが、海岸の工事や堆砂の移動、砂浜の縮小、人による捕獲、漂着ゴミの堆積、車の乗り入れ等による環境悪化で、現在急速に個体が減ってきています。
環境省や島根県のレッドリストにおいて絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧Ⅰ類」に分類されています。
そうした中にあって益田市の遠田海岸~久城海岸では、この数年間の調査で、個体数はきわめて少ないですが、ある程度の生息を確認しています。
そこで、島根県条例により捕獲を禁止する標識を生息地に設置するなど、積極的に保護管理されている貴重な昆虫です。

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《生息域》
海岸線から浜辺寄りのやや小高い砂地で益田川河口から東へ約300mほどの区域の砂浜に生息しています。

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《カワラハンミョウの雄》
体長15mm前後。背には、白に銅緑色の模様がある。
幼虫期は地中に穴を掘り、その入り口で待ち伏せをして小動物を捕獲します。寿命は3年(幼虫期2年)。

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《捕食および食性》
肉食性で、砂浜の上を敏捷に歩行しながら、昆虫類、多足類、甲殻類などを捕食し、人などが近づくと飛翔。
キバやアゴが発達しています。

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《繁殖行動》
7月末から8月中旬にかけて、午前中の時間帯によく見かけられます。大きさは、メスの方がやや大きい。

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《ハラビロハンミョウ》
体長は、カワラハンミョウに比べてひと回り小さく、11mm前後。海浜性のハンミョウです。
背の色は銅色。波打ち際で活動(捕食)することが多く、カワラハンミョウとは住み分けをしています。
こちらのハンミョウも絶滅危惧Ⅰ類に属し、個体数が激減しています。

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《ハンミョウのオス》
内陸性のハンミョウ。「道教え」という愛称で親しまれている、最もポピュラーなハンミョウ。
体長は20mm前後で、ハンミョウ科の中で最大。
特に、平地~山地の道路上に多くみられ、頭・腹・背が美しい金属光沢に輝き、人気のあるハンミョウです。
先般、NHKでも紹介されましたので、ご承知の方も多いかと思います。
現在、道路などの舗装化が進み、生息域が大幅に減少しています。生態については、カワラハンミョウとほぼ同じです。

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《砂浜の上に立つカワラハンミョウ》(写真提供全て・フォトクラブ高津川21)

夏のむし物語として、ハッチョウトンボやカワラハンミョウという2cm以下の虫が、現在、生存の危機に直面している事実を、益田地方の具体的な生息例の写真とあわせてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
2014年度の島根県レッドリストの昆虫編では、なんど194種類もの虫が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に分類されています。
前回、今回と取材に協力を頂いたフォトクラブ高津川21の吉﨑会長は、「地球の温暖化や環境の悪化が、自然界の弱者でもある動物や植物たちに影響を及ぼしている。このことは、私自身の課題としても受け止めている」と述べておられました。

夏のむし物語 パートⅠ・里山に生きる世界最小のトンボ「ハッチョウトンボ」

本ブログでは、これまでに2回ほど、6月に活動する虫・ゲンジボタルを紹介してきました。
今回は益田地方に生息する貴重な虫、「ハッチョウトンボ」をご紹介します。

ハッチョウトンボは絶滅危惧種に指定されていて、近い将来、絶滅の危険性が高い貴重な昆虫です。
かつての昆虫少年で、50代半ばから再び虫にかかわって20年目を迎えるという、フォトクラブ高津川21の吉﨑佳慶さんの撮り下ろし写真と解説をお楽しみください。



《絶滅危惧種「ハッチョウトンボ」》
ハッチョウトンボは世界最小種のひとつ。全身の大きさは18~20mmと、およそ1円玉台の大きさをしています。
この大きさは、オニヤンマ(100mm)の1/5です。

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《ハッチョウトンボのオス》
体長約18mm。成熟すると全身が赤化し、鮮やかな朱色になります。「赤い妖精」という愛称を持っています。

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《ハッチョウトンボのメス》
体長約20mm。黄色・褐色・黒のまだら模様。オスとはまったく違う色彩をしています。これは、目立たないという保護色の役割をしています。

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《羽化》
早朝の時間帯に羽化をし、1~2時間かけて乾燥していきます。羽化直後は緑色の腹と薄茶色の羽をしていて、オスかメスかの判別はできません。

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《生息地》
常に、山すそからの湧き水のある日当たりの良い湿地で生活をします。6月から7月にかけての季節に多く見ることができます。産地は極めて局地的です。

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《捕食》
一般的なトンボとは違い、上空に飛び立つことなく、草むらを徘徊しながら広範囲に捕食行動を行います。

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《繁殖行動》
成熟したオスは、10時から14時までの昼ごろ、浅い湿地に1メートルほどの間隔でなわばりをつくり、メスが近づくと捕まえて交尾を行います。交尾の時間は10~20秒と大変短いです。メスは水辺に産卵を行い、オスは産卵の警護をします。

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《住み分け》
主としてオスは湿地で生活をします。対してメスは草原で生活をすることが多いです。

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《天敵》
ハッチョウトンボの最大の天敵はナガコガネグモというクモです。湿地の中に網を張り、ハッチョウトンボを捕獲します。成虫となったハッチョウトンボのおよそ1~2割が、網に捕らえられて死滅します。

(写真提供全て・フォトクラブ高津川21)

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[補足解説]

〈トンボの語源〉
「田んぼ」からきているという説が有力です。農耕の民として稲田の害虫を食べてくれる益虫としての慈しみの心から命名されたとも言われています。

〈世界最小種のひとつ〉
世界に生息するトンボは約5,500種です。そのうち、日本に生息する約200種の中で最も小さい種がハッチョウトンボです。

〈和名・ハッチョウの由来〉
江戸末期、尾張の本草学者・大河内存真の記録にある、「矢田鉄砲場八丁目にのみ発見せられ・・・」との記述から名づけられました。

〈生存期間〉
成虫になってからの生存期間は、通常、2週間前後とされていますが、1ヶ月以上生存したという報告もあります。

〈里山の環境指標種〉
ハッチョウトンボの生息状況は、里山の環境調査にとって重要な指標になっています。
近年、極端に環境破壊が進み、現在、ハッチョウトンボは絶滅危惧Ⅱ類にランクされています。
自治体によっては天然記念物に指定して、保存・保護に努めています。

〈移動方法〉
生息環境の悪化や生息地の拡大などで、やむなく移動する場合、ほかのトンボのように自力での飛行ができないハッチョウトンボは、日本トンボ学会などの実証調査の結果、風に乗って移動することが判明しています。
最近では、島根県立浜田高等学校の自然科学部も実証調査を行いました。

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